abstracts-rev

第一会場 (Presentation Room 1)  5-205

研究発表1(10:00-10:30

ピッチ幅測定における測定教材の影響-英語母語話者と日本人英語学習者の比較-

田中 未知(熊本県立大学大学院生)・吉井 誠(熊本県立大学)

 

コミュニケーションにおいて抑揚は重要な役割を持つが,日本人英語学習者が抑揚を習得することは困難である。本研究では日本人英語学習者と英語母語話者の英語の発話におけるピッチ幅の比較を行った。被験者は大学1年生9名と英語母語話者3名(アメリカ人2名,イギリス人1名)で,いずれも女性であった。実験では上昇調・下降調の各2文を用い,それぞれの文をリスト,またダイアログに組み込まれた状態で読み上げたものを録音した。Praatというソフトウェアを用いデータ収集・分析を行い,日本人学習者と英語母語話者との比較,リストとダイアログの比較を行った。後者の比較では大半の被験者に関してピッチ幅の使用に差が見られた。

 

 

第一会場 (Presentation Room 1)  5-205

研究発表210:35-11:05

英語教員養成課程における Blended Approachを採用した学習環境が職業的同一性に与える影響

長嶺 寿宣(熊本県立大学)

 

教師成長に係わる先行研究は,教師信念,特に職業的同一性に係わる信念が教師の成長過程に大きく関与していることを示唆している。しかし,今日まで職業的同一性の実態及び形成過程の研究は十分になされていない。また,大学の英語教員養成課程に在籍する大学生を対象にした質的研究事例は極めて少ない。本研究では,Blended Approachを採用した学習環境において,英語教員志望学生が教育実習中に示す成長過程を記述分析した。職業的同一性の変化に焦点をあて,主にメーリング・リスト等の利用時にみられた言語を介するインターアクションの分析結果を基に,学習環境が職業的同一性の形成過程に与える影響を考察する。

 

 

第一会場 (Presentation Room 1)  5-205

研究発表311:10-11:40

二人の日本人幼児の日英語使い分け能力の発達(2)

御手洗 靖(大分大学)

 

日本人の両親に「一人一言語」の方針で日英語同時養育された2人の子どもにおける,日英語の使い分け能力の発達の縦断的分析の結果を報告する。昨年は3歳までの分析を報告した。今回は,3歳から4歳までの発話データを分析して特徴を明らかにしたい。

 

 

第一会場 (Presentation Room 1)  5-205

研究発表412:40-13:10

Pausology and Interview Questions Types: A Case Study

Robert Long(九州工業大学)・田吹 昌俊(九州工業大学)

 

The issue of pauses and its consequent impact of fluency in student interviews is the subject of this paper. Six first-year university students were given one semester to practice asking and answering basic interview questions about their studies and goals. At the end of the semester 20 questions out of the 30 that the students had practiced were given as their final exam. The data was videotaped and examined in regard to the number, duration (range/average), and syntactical location of the students’ pauses. Specifically, 18 sentences with two or more pauses are examined in terms of the sentence’s overall grammatical accuracy, and as to whether or not similar grammatical errors were made. Results show that the kinds of errors that were associated with pauses included those with prepositions (2), omissions of nouns or verbs (10), adjective (1), and wording / repetition (4), and one sentence with no errors. Research questions were then generated concerning pauses and poor vocabulary and phrasing skills.

 

 

第一会場 (Presentation Room 1)  5-205

研究発表513:15-13:45

英語学習の習熟度と心理的要因に関する一考察-大学初年次対象のアンケート結果から-

大城 明子(沖縄国際大学)

 

英語学習者の言語学習に関する心理面を測る研究は、学習者を理解し、より効果的な英語教授を行う手がかりとなる点において近年盛んな分野である。本研究は、発表者が過去三年間に担当した大学初年次の英語習熟度とアンケート(言語学習ビリーフの質問項目を中心とする)結果との関連性の分析を行い、学習者像を探り、上記の代表的な先行研究との照合を試みるものである。

 

 

第二会場 (Presentation Room 2)  5-206

研究発表1(10:00-10:30

英語科教員養成におけるTeaching Knowledge Testの利用可能性

福田 慎司(福岡大学)

 

 現在、教員免許更新制度の見直しや教員免許取得の6年制が検討されるなど、教員養成制度が大きく変わろうとしている。このような時代において英語教師として必要な知識とは何かを考える時、日本だけでなく英語圏の国で行われている英語教員養成の視点も参考になるであろう。本研究では、Cambridge ESOLが開発した、英語を母語としない生徒に英語を教えるための知識を測るテスト(Teaching Knowledge Test)の分析をし、日本の教員採用試験の問題と比較検討を行い、その利用可能性を探る。

 

 

第二会場 (Presentation Room 2)  5-206

研究発表210:35-11:05

九州産業大学における全学共通英語教育と初級クラスでの三段階指導の試み

大薗 修一(九州産業大学)・保家 信太郎(九州産業大学)・與古光 宏(九州産業大学)

 

本発表では、九州産業大学における全学共通英語教育カリキュラムについて、特に初級クラスにおける三段階指導について実践報告する。九州産業大学では、1997年度から英語教育改革がスタートし、2005年度より4年一貫した英語教育プログラムが全学体制で実施されている。2007年度には「平成19年度特色ある大学教育支援プログラム」に採択され、本年度はその最終年度となる。本発表では、全学共通英語カリキュラムが構築・発展していく中で、初級クラスの指導を取り上げ、現在、試みている三段階指導 (①教科書、②e-learning、③ミニテストについて、具体的な指導内容と実施体制を詳細に報告する。

 

 

第二会場 (Presentation Room 2)  5-206

研究発表311:10-11:40

英語学習における大学生の自律度の変容

折田 充(熊本大学)

 

本発表は,聴解力育成を主眼とする大学教養英語科目(半期)で学んだ学習者(2年生26名)の自律性 (learner autonomy) の変容について報告する。本発表に関連して,学期初 めと学期終了時に31項目からなる自律度に関する同一のアンケートを実施した。発表では,実施した学習指導を概略した上で,英語学習における大学生の自律度は向上するのか否かの問いに答えるべく,アンケート結果を分析する。併せて,実施した学習指導とアンケート結果との関係を考察し,また被験者の持つ自律度と学期末試験の関連性を検討したい。

 

 

第二会場 (Presentation Room 2)  5-206

研究発表412:40-13:10

大学教養英語授業での「生きた英語」教材としての映画の活用法

土持 かおり(鹿児島県立短期大学)

 

英語学習用に作成されたビデオ教材はよく作られたものでも、authenticityに欠け、ストーリーが今ひとつというものが多く、「生きた自然な英語を楽し学びたい」と希望している学生が多い大学教養英語の授業では、映画が絶大な支持を得る教材であることを、自分の授業に単発的に利用してみて実感している。今年度から前期の授業で、1本の映画を教材として本格的に使用するにあたり、15回という授業回数の長さも考慮し、コースを通して学生の学習意欲を維持できる授業、また「生きて使える英語」を身につけていると学生が実感できるような授業にしていくために、(1authenticゆえにリスニングの難易度が高いという問題をどのように克服するか、(2)リスニング以外の学習活動もどのように取り入れるか、などの点に配慮しながら授業作りを心がけた。

発表では、CALL教室を利用した、映画『ゴースト』を使った半期コースの授業実践について映画英語学習の具体的な取り組みとアイディアを紹介すると共に、実施したアンケート結果から見る、映画を利用した授業活動に対する学生の態度、意欲、感想なども織り交ぜて紹介したい。

 

 

第二会場 (Presentation Room 2)  5-206

研究発表513:15-13:45

ALTへ伝える気持ちを育てる小学校英語活動の中に見られる担任の影響(2)

―授業者の語り(ナラティブ)を通したライフコースの研究―

矢野 英子(久留米大学)・御手洗 靖(大分大学)

 

矢野・御手洗(2009)では,4年生の児童が生き生きと表現活動を行う小学校英語活動を構想し実践した担任教師へ,授業ビデオの再生刺激法を用いた質的研究を行い,授業を形作った信念,感性,経験を発見した。今回は,この担任教師のライフコースに焦点を当てる。インタビューを通して人生経験を振り返る語り(ナラティブ)を行ってもらった。結果として,本人の外国語(英語)観,授業観,学校観に影響を与えた要因が浮かび上がった。

 

 

第三会場 (Presentation Room 3)  5-208

研究発表1(10:00-10:30

The Effect of Teaching Phonetic Information through Repeated Practice of Dictation and Reading Aloud in L2 Listening Class

佐取 美紀(福岡教育大学大学院生)

 

This study reports a remedial approach to the study of improving lower-level process in L2 listening. First, the perceptional problems in listening comprehension are reviewed, and the importance of the automatized bottom-up skills is discussed. Next, two studies are reported. In study 1, the possibility of teaching phonetic information to improve perceptional process was examined, and the result showed a significant correlation between dictation scores focusing on phonetic features in spoken English and TOEIC listening scores as an indicator of listening comprehension. Based on the result of study 1, the efficacy of teaching phonetic information through repeated practice of dictation and reading aloud was examined in study 2. To examine what types of subjects benefit from dictation and reading aloud, TOEIC was taken by74 subjects before and after the treatment. The Japanese version of Reading Span Test as an indicator of the capacity of working memory was also conducted after the treatment. The result of study 2 suggested a hypothesis that reading aloud exercises can benefit low-proficiency and low-span listeners.

 

 

第三会場 (Presentation Room 3)  5-208

研究発表210:35-11:05

ここまでできるTOEIC授業:カリキュラムデザインの方向性を見いだすための授業実践から

田上 優子(福岡女子大学)

 

日本ではTOEICは今や大学・高専のみならず高校でも英語コミュニケーション能力を測定するProficiencyテストのひとつとして授業や課外で活用されている。しかしながら、特に英語授業としてカリキュラムに組み入れた場合、試験で高得点をとるためのノウハウ伝授や技能訓練に終始してしまいがちで、対策テキストのみでの授業が総合的な英語力の伸展に寄与しているかどうかの点では危惧される。本発表では、勤務校での3年間の「英語(TOEIC)」授業実践をとおして、受講者間のインタラクションやアウトプットの機会をできるだけふやす「しかけ作り」の試みを紹介する。また、今後のカリキュラムデザインへの提言もおこなう。

 

 

第三会場 (Presentation Room 3)  5-208

研究発表311:10-11:40

意味構造を基盤とする教材編成の原理

柳井 智彦(大分大学)

 

 人は発話するさいに,伝えたい意味を表現しうる言語形式を選択・配列し,音声として表出する。たとえば「移動×目的」を伝えるためには「go for (a drink)」「go get (sandwiches)」「go (shopping)」「go to (her wedding)」などが可能である。さらに,たとえば「go shopping」には「…with my parents」「…at the store」「…last Saturday」のように「随伴」「場所」「時」という意味要素を付加しうる。これら意味要素の結合は構造・パタンを生む。本研究では意味構造による教材編成の観点から,認知言語学,コーパス言語学の知見を参照する。

 

 

第三会場 (Presentation Room 3)  5-208

研究発表412:40-13:10

Analysis of Teacher Talk: Comparison of a Japanese and a Philippine Teachers in EFL Classroom in Japan

岡崎 紀久子(熊本県立大学大学院生)・吉井 誠(熊本県立大学)

 

EFL education in Japan is moving toward all-in-English classes. This study investigates the functional usage of Teacher Talk in a Japanese EFL classroom. Kim & Elder (2005) analyzed their data using AS-units and their own analytical criteria, FLAATTFunctional Language Alternation Analysis of Teacher Talk. They hypothesized that the functional usage of Teacher Talk among FL teachers differed according to their teaching beliefs and experiences, and the nature of class activities.  Following the methods used in Kim & Elder (2005), this study examines Teacher Talk in a Japanese elementary level EFL class. We collected the data from the classrooms of a Non-Native English teacher (a Japanese) and a Near-Native English teacher (a teacher from the Philippines), where two 5-minute segments of interaction between the teacher and the students were extracted to be analyzed.  Their differences in pedagogical functions suggest that Teacher Talk in the Japanese EFL classroom is also influenced by the nature of activities.

 

 

第三会場 (Presentation Room 3)  5-208

研究発表513:15-13:45

日本人英語学習者のリーディングプロセスに関わる構成要素分析

阿嘉 奈月(琉球大学大学院生)

 

外国語におけるリーディング活動には、さまざまな言語スキル・認知スキルが要求されることがこれまでの研究より明らかになっている。本研究では、英語熟達度の違う大学生を対象に、文法能力・語彙能力・L1リーディング能力・スペリング能力・音韻能力・ワーキングメモリーの6つのスキルを独立変数として、これらが、従属変数の外国語リーディング能力をどの程度説明することができるかについて実験をおこなった。重回帰分析の結果、言語要素である文法能力と語彙能力が強い予測変数になることが明らかになったが、更なる分析で、上記のスキルが英語熟達度のレベルが違う学習者により異なった使われ方をしていることが明らかになった。

 

 

第四会場 (Presentation Room 4)  5-309

研究発表1(10:00-10:30

Reading, Material Development Based on Task-based Approach

沖 洋子(九州産業大学(非常勤))

 

外国への旅行、TOEIC BRIDGEなどの英語の資格試験等に、比較的関心が強い日本人の大学生(中級英語学習者)にとって、どのように真の英語の読解力を身につけさせることができるのかを考慮した。その際、questionnaireを作成し、学生のneeds analysisを実施した。そして、学生が興味のある題材からTRAVELを選び、authenticmaterialrationaleを作成した。material作成の際、Task-based Approachの概念をもとに、学習者がreal language use in the classroomに従事できるように試みた。英語の「読む」力とともに、「話す」力も学ぶことができるように、教材を開発した。

 教材はPre-reading, While-reading, Post-readingから構成されている。Task-based Approachのもと、学習者が、間違いなども経験しながら、自由に英語を使用し、効率的な読解能力をどのようにして、学ぶことができるのかも検討した。最後のPost-readingの段階において、TOEIC BRIDGEの英語の試験にも、対応できるようにmaterialを作成した。

 

 

第四会場 (Presentation Room 4)  5-309

研究発表210:35-11:05

学校英文法再構築 ―認知言語学からの提言―

長 加奈子(北九州市立大学)・川瀬 義清(西南学院大学)

 

言語学の分野において1980年代後半より認知言語学の研究が盛んに行われるようになり,これまでとは異なる観点から言語をとらえることが出来るようになってきた。認知言語学では言語のあり方は認知主体である人間の身体感覚や経験に起因する外界に対する認識のあり方を反映するものと考え,言語の体系的な記述を試みている。このような認知言語学の知見を,近年,第二言語習得,特に文法書の記述や英文法の教授に応用しようとする流れが見られるようになった。しかし認知言語学の理論をそのまま学校英文法に応用することは困難である。そこで本発表では,認知言語学の知見を利用した教授法について概観し,先行研究に共通する問題点を指摘するとともに,日本の中学・高等学校の学校現場にどのような形で認知言語学の知見を応用することができるかその可能性を,今年度実施した教員免許更新講習における受講者のフィードバックを分析しながら議論する。

 

 

第四会場 (Presentation Room 4)  5-309

研究発表311:10-11:40

なぜ英語学習が嫌いになったのか?(2)―小テスト、宿題―

原 千里

 

本会の『紀要』第33号で「なぜ英語学習が嫌いになったのか?--実態調査からわかること--」の中で英語嫌いの実態を探った。 実態調査の分析から、英語学習嫌いの内因的なものとして「学習者の能力や性格」や外因的なものとして「教師の力量や人格」があることがかなり明らかになった。その他様々な要因が考えられる。

 今回の研究発表では、「小テスト」や「宿題」もその一因ではないだろうかとの推測から、それらに焦点をあてる。その手法は、英語学習者(高校生)や英語担当教師に対してアンケート調査を実施し、その結果を分析する。

 

 

第四会場 (Presentation Room 4)  5-309

研究発表412:40-13:10

鹿児島県小学校教員の英語活動に関する意識調査

川上 典子(鹿児島純心女子大学)・田原 良子(鹿児島純心女子大学)

 

鹿児島純心女子大学は現在教育GP「英語新時代を拓く教師養成モデルの構築」の取組の一環として小学校英語(外国語)活動のための教材開発を行っている。20092月~3月にかけて、教材開発のための事前調査として、鹿児島県の全小学校を対象に郵送によるアンケート調査を実施し、604校中215校(383人)から回答があった。本アンケートでは、小学校英語(外国語)活動の取組状況や教員の意識・教材開発への要望等を中心に調査を行った。本調査で明らかになった小学校教員の現状に基づき、小学校高学年での外国語活動の必修化が2年後に迫っているこの時期に、どのような教員研修や教材等が必要とされているのか検討する。

 

 

第四会場 (Presentation Room 4)  5-309

研究発表513:15-13:45

L1ライティングの認知的プロセス・方略を活かしたL2ライティングの研究

松永 志野(熊本大学大学院生)

 

L1ライティングにおいて修得した方略を、大学レベルのL2ライティング方略に転移できるかどうかを検証することを目的とする研究を始めたところである。ここでは、国語科と英語科の高校教員を対象とするアンケート及びインタビューにより把握した、大学の前段階としての、L1及びL2におけるライティングの指導内容・方法の実態を報告する。また、高校生を対象としたアンケート結果を基に、高校段階では、どのようなL1ライティング方略を使用しているかについても報告する。今後は、上記の実態調査を踏まえて、大学生または大学院生を被験者として、実際にライティングを行ってもらい、L1ライティング方略がどのようにL2ライティング方略に転移されるのかを考察したい。

 

 

第五会場 (Presentation Room 5)  5-314

研究発表1(10:00-10:30

ファシリテーションを用いたフレーズ・リーディングおよびフレーズ音読指導の試み

―英語が苦手な学習者の積極的授業参加を促す―

土屋 麻衣子(福岡工業大学)

 

大学入学時点の英語力が英検3級レベルで、英語学習の必要性を感じつつも動機が低い理系の大学生が「どのように英文を読んでいるか」を把握するために、think-aloud方式とインタビューを用い観察した。問題点をリストアップし、それらを解決するために、前期14週にわたって、フレーズ・リーディングとフレーズ音読の指導にファシリテーションを利用した授業を行なった。最初は、被験者の多くが受身の授業に慣れていたこともあり、ファシリテーションがうまく機能しない状況も見られたが、回を経るごとに積極的姿勢になっていく様子が見受けられた。また、最終回に行なったposttestにおいては、ほとんどの被験者が pretestより高いスコアをマークすることができた。

 

 

第五会場 (Presentation Room 5)  5-314

研究発表210:35-11:05

Phonological Awareness and Its Relationship with Reading Skills in EFL Classrooms

雪丸 尚美(京都大学大学院生)

 

 母語習得研究や第二言語習得研究では,音声情報の認識,分節,及び操作を担う音韻認識と,特に学習初期段階における英語の読み書き能力との深い関係が指摘されている。本発表は,音韻認識と英単語の読み上げ能力との関係に関する近年の研究動向について,英語母語話者や第二言語学習者を対象とした理論的研究や実践的研究を中心に,学習者の母語と目標言語との違いや学習環境の違いに焦点を当てて概観する。さらに,それらの研究結果が日本における英語教育に与える示唆や,日本人英語学習者を対象とした今後の研究の可能性について論じる。

 

 

第五会場 (Presentation Room 5)  5-314

研究発表311:10-11:40

フンボルトの「内的言語形式」による英語教育への示唆

吉田 一衛(福山大学)

 

フンボルトの「内的言語形式」について考察し、英語教育の本質を検討する。言語には多様な音声形式があるが、内面的で知的部分が本来的に言語を構成している。言語の生産にあたって音声形式が利用され、この知的で精神的部分に提供されることになる。これが内的言語形式で、外的言語形式の音声形式に対し優位に立つ。精神は分節化した音声を思考の表現へと高めていくが、精神のこのような作業の中にみられる恒常的な媒体を介し、内的な思考と感覚及び外的な対象との両面から産出するもので、この両面に参与し、人間自身を顕にする能力である。

 

 

第五会場 (Presentation Room 5)  5-314

研究発表412:40-13:10

英語リスニングにおけるローマ字のイメージとアルファベットのイメージ

蒲地 賢一郎(志學館大学)

 

本発表では、英語のリスニング練習に関する実践報告をおこなう。まず、大学の授業における、毎週、学生に課題としているリスニング練習を紹介する。これは、一つの学期の終わり頃、英語授業で英語の映画を見て、個々の英語台詞を聴き取るリスニング練習に関連づけていくためである。この種の練習において、どのような効果が、一つの学期の中であるのか、一方で、それに伴い、どのような問題点が生じるのかを議論する。日本人学習者の英語リスニングにおいて、決定的に関わるのは、学習者の知る英語表現の綴りとその綴りに伴う実際の英語音との間に存在するイメージのずれであると考える。

 

 

第五会場 (Presentation Room 5)  5-314

研究発表513:15-13:45

授業科目の特性から見たコミュニケーション能力育成

大里 泰弘(長崎ウエスレヤン大学)

 

  コミュニケーション能力とは場面に応じてコトバを聴いたり読んだりして内容を理解しそれに対する自分の意見などを伝えるために文章を生成する能力である。その意味において,コミュニケーション能力はL1/L2に関係なく言語共同体の中で習得すべき文化知識体系の一部である。

   英語教育現場ではコミュニケーション能力の育成が目標として掲げられているが,言語構造中心型か内容理解中心型かといった担当授業科目(例えば,資格検定英語,CALL ENGLISHReading  Vocabulary,総合英語,英語コミュニケーション)の特性とコミュニケーション能力教育の有機的な関連付けは容易ではない。

  本発表では,CBLTContent-based Language Teaching)という視点から日々担当している授業においてどのようなコミュニケーション能力育成への橋渡しが可能かを考察する。

 

 

Comments