Examining the Effects of L1 Instruction In Student's L2 Writing 吉 田 一 美 要約 ライティングの研究に、学習者による母語の使用に関するものがある。学習者自身が目標言語 によるライティングの過程で母語を用いることで、効率よく、かつ、よく書くことができるというので ある。では、指導言語が目標言語である場合と母語である場合、学習者のライティングにはどん な違いが見られるだろうか。最近の報告によれば、母語で指導する場合は指導が構成や内容に 及ぶが、目標言語で指導する場合は指導が綴り、文法、或いは、構文の誤りの訂正に留まる傾向 がある。指導言語によって指導のあり方に違いがあるとすれば、学習者のライティングの達成や 習得にも違いが生じるはずである。 この研究では、24名の高校3年生を日本語グル-プと英語グル-プに分け、難易度の違う2つの 作文を課した。その過程で、それぞれ日本語と英語とでブレイン・スト-ミングとフィ-ド・バックを与え、 それぞれの作文を質、量、そして、推敲の達成という点から比較した。この結果、統計的な説得力 は欠くものの、母語を指導言語とした場合の学習効果は確認することができた。しかし、学習者の 到達度や課題の難易度を考慮すると、目標言語よる指導を肯定すべき点も認められた。 究したい。今後の課題である。 |